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名医と迷ランナー第6話

更新日:2015年7月19日

美しいフォームをつくる =前編=

よくフルマラソンのベストタイムを20分短縮したとか、30分短縮したとか耳にします。しかし、これは初期段階の自分の能力を眠らせていたランナーに限って言えることで、実際はそんなに簡単に短縮できるものではありません。

100m競技で、ベストタイムを10.99秒から9.99秒へと1秒のタイムを短縮する事は、不可能と言っても過言ではありません。フルマラソン中のすべての100mのタイムを1秒短縮することができたとしても、ゴールタイムは僅か約7分02秒しか短縮できません。

速く走れるようになるためには、日々の練習では何をすればよいのでしょうか?

そのプロセスにおいては多くの理論や練習方法があります。しかし、最終的には実にシンプルです。ピッチを増すか、ストライドを広げるかです。そのいずれも変えることなく速く走れるようになることはありません。

例えば、ストライドが100cmでピッチが1分間に150回の方が10kmを走れば、ゴールタイムは約66分40秒です。ストライドを110cmに伸ばすことができれば約60分36秒 、ピッチを160回に上げることができれば約62分30秒です。そして両方を達成することができれば約56分49秒までタイムを短縮することができます。

つまり、今よりも速く走るためには、日々の練習がピッチを増すか、ストライドを広げるかの条件を満たしたものでなければなりません。

もちろん、時には何も考えず ぼぅ~っと走ることも大切ですが・・・。

 

第2弾の食事のところで触れましたが、「基礎があって応用があり、基本がしっかりしてこそ専門性が高まります」。では、ピッチを増す、ストライドを広げるための、最も基礎、基本となる練習はどのような練習でしょうか?
・ピッチを増す基礎、基本練習
自分自身の持つ、体内リズムを大切にして走ることです。呼吸も筋肉も体内リズムに同期して規則正しく動きます。
・ストライドを広げる基礎、基本練習
ウィンドスプリントを行うことです。ウィンドスプリントとは、全力疾走の70~80%程度(ハァ~ハァ~するくらい!?)のスピードで、力を抜いて惰性に乗って100m前後の短い距離を走ります。「流し」とも言いますが、基本的に単独で行うものではなく、ジョギングの後に行ったり、フォームの矯正やウォーミングアップの一環として実施します。

 

長距離の走法として、ピッチ走法とストライド走法があることはご承知のことと思います。どちらのほうが望ましいかは、個人の特性等により異なります。

しかし、市民ランナーの多くの方は、距離にこだわり過ぎるためにピッチを主体とした練習が中心で、ウィンドスプリントを練習に取り入れられていない方が多いのではないでしょうか?これでは最初から、自分自身の可能性のハードルを大きく下げて取り組むことになってしまいます。

必要以上に大きな走りを意識してストライドを広げる必要はありませんが、私は、ウィンドスプリントこそ、走り方の基礎、基本練習であり、正しいウィンドスプリントにより得られる美しいフォームは、効率よく走れるフォームであり、速く走れるフォームであり、更にはケガや障害を予防できるフォームでもあると考えています。

次回はそのフォームについて、もう少し考えてみましょう。

 

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