名医と迷ランナー第10話
更新日:2015年9月26日
フルマラソンの練習方法
前回、フルマラソンのために理解しておいた方が良い練習方法の専門用語を使いました。今回はその用語等について、簡単に解説します。
〔練習の概念〕
週に2~3回の本質的な能力の向上を意識した練習を「ポイント練習」。その他の練習を「つなぎ練習」という。たとえば、初心者の場合は週2回のジョギングがポイント練習。トップアスリートであれば週1回のインターバルトレーニングと週1回のペース走が「ポイント練習」で、残りの5日間が疲労の回復などを目的とした「つなぎ練習」となる。
〔主な練習方法〕
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*ジョギング(ジョッグ)
ジョギング(jogging)とは、ゆっくりした速さで走ること。陸上競技としての長距離走や他のスポーツにおける持久力を高めるためのトレーニングとしてのジョギング、健康増進のためのジョギングなどがある。概ね10km程度までをジョギング、それ以上をロングジョッグという。
*スロージョギング(ジョッグ)
意識して、ジョギングよりもゆっくり走る。走るスピードは遅いが、身体の動きは速く、リズミカルに走る。
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*ペース走
ペース走は、一定のペースを保ちながら設定した距離または時間を走り、持久力の向上やレースペースの乱れをなくすために行われるトレーニング方法で、ランナーにとって大切なペース感覚を身に付けることができる。
*ビルドアップ
ビルドアップ(build-up running)は、 余裕のあるペースで走り始め、次第にペースを上げていきながら、最後はレースペースまたはそれ以上のスピードで一定の距離または時間を走るトレーニング方法。
*インターバル
インターバルトレーニング(interval training)は、高負荷と低負荷(不完全休息)を交互に繰り返すトレーニング方法。効果は非常に高いが、心身に大きな負担をかける。
*レペティション
レペティショントレーニング(repetition training)は、反復練習ともいわれる。1回1回はほぼ最大努力で行うが、各回の運動負荷の間に十分な休息(完全休息)の時間をとり、疲労を回復させてから行うことに特徴がある。
*クロスカントリー
クロスカントリー(cross country)は、山道や雑木林でのトレイル走や公園などでの “起伏を走る”トレーニング。マラソンに必要な心肺機能、筋力、バランス感覚、筋持久力などを総合的に高めることができる。
* LSD
ロング・スロー・ディスタンス(long slow distance)は、低から中程度の強度のペースで長時間行うトレーニング。
*マラニック
マラソンとピクニックの造成語。歩いたり走ったり、疲れを残さずに長時間行うトレーニング。
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*ウィンドスプリント※
「流し」ともいう。全力疾走の70~80%程度のスピードで、力を抜いて惰性に乗って100m前後の短い距離を走る。基本的に単独で行うものではなく、ジョギング中や後に実施し、フォームの矯正やウォーミングアップとして用いる。
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※第6話、第7話で具体的に解説。
以上が代表的なフルマラソンの練習方法です。
私自身は、私を含めて市民ランナーにとってポイント練習でのビルドアップ走が重要であると考えています。
次回は、実際のポイント練習としてのビルドアップ走と練習計画について考えてみます。